便潜血検査とは?
便潜血検査は、目に見えないほどのわずかな血液が便に混ざっていないかを調べる検査です。この検査は、健康診断などで大腸がんの早期発見を目的として広く行われています。もし陽性と出た場合は、消化管のどこかで出血が起きている可能性があります。
便潜血陽性と診断されたら
便潜血検査で「陽性」と出た場合、「大腸のどこかで出血が起きている」というサインです。しかし、陽性だからといって必ずしも大腸がんだとは言えません。痔による出血や、女性の場合は生理の出血が混ざっている可能性もあります。
ある調査では、便潜血陽性の方のうち、約半数に「大腸ポリープ」が、2〜3%に「大腸がん」が見つかるといわれています。ポリープは将来的にがんへと進行する可能性があるため、陽性が出た場合は放置せずに、必ず精密検査を受けることが大切です。
たとえ2〜3%の確率でも、もし大腸がんが見つかった場合、出血しているということは病気が進行している可能性があります。そのため、できるだけ早く「大腸カメラ検査」を受けて、出血の原因を特定することが非常に重要です。
便潜血陰性でも
安心はできません
便潜血検査が「陰性」だった場合も、安心はできません。初期の大腸ポリープや大腸がんは、出血しないことが多いため、便潜血検査では見つけられないケースがあるからです。
大腸がんのリスクが高まるといわれる40歳を過ぎたら、便潜血検査の結果に関わらず、定期的な大腸カメラ検査をおすすめします。また、ご家族に大腸がんや大腸ポリープを患った方がいる場合は、40歳より若くても検査を検討しましょう。
便潜血検査の方法について
便潜血検査は、1日おきに2回便を採取する「2回法」が一般的です。これは、出血が毎日起きるわけではないため、より正確に調べるためです。採取したサンプルは、1週間以内に検査機関へ提出していただく必要があります。
陽性だった場合は
ご相談ください
便潜血検査で陽性が出た場合は、出血している場所を特定するために、できるだけ早く当院にご相談ください。当院では、「大腸カメラ検査」を行い、腸の状態を直接観察します。検査でポリープが見つかった場合は、その場で切除することも可能です。また、疑わしい組織があれば採取し、病理検査で詳しく調べることができます。大腸がんは、早期発見・早期治療が非常に重要です。便潜血検査の結果が陽性だった方は、精密検査の受診を強くお勧めします。 一人で不安を抱え込まず、まずは一度ご相談ください。

